本記事は開示企業向けのもので、CDPの活動分類システム(CDP-ACS)に従い、企業が選択した活動やセクターを設定・変更する方法について説明しています。2025年サイクルから、すべての開示企業は、ポータルを通じてCDP-ACSを直接変更できるようになりました。
内容
CDP-ACSとは
CDP-ACSとは、CDPが独自に開発した活動分類システム(CDP’s own Activity Classification System)で 、企業が質問書で受けるセクター別の質問を割り当てるために設計されたものです。本システムは、企業が売上を得ている活動に焦点を当て、気候変動、フォレスト、ウォーターに関する組織への影響と関連付けることで、組織を分類します。
当該アプローチにより、企業の環境への依存、インパクト、リスク、機会に応じた企業行動の理解が深まり、データの比較可能性を高める上でCDP-ACSは不可欠となります。
ACSは下記の3段階で構成されています(ボトムアップ):
・CDP活動(CDP Activity)
・CDP活動グループ (CDP Activity Group)
・CDP産業 (CDP Industry)
CDPの活動分類システム、質問書割り当て、事例、そして質問書セクターと活動の詳細な内訳の全リストは、 ガイダンスに記載されています。
CDP-ACSの割り当て
開示プロセスの一環として、企業は、営業活動の売上割合に基づいて、その事業活動に最も関連性の高いCDP活動に割り当てられます。売上の割合が最も高い活動が主要活動として割り当てられ、その他の活動は追加的な活動として分類されます。
質問書セクターは、同じ売上割合を用いて決定されます。企業の総売上の少なくとも20%に寄与するセクターが割り当てられ、最も割合の高いセクターが主要セクターとして、その他は追加的なセクターとして割り当てられます。
スコアリングされるのは、主要な質問書セクターのみです。複数の質問書セクターが該当する場合、すべての質問書セクターがスコアリングされるわけではありません。セクター別の質問には、どのセクターに適用されるかが記載されています。自社のCDP-ACSが誤って割り当てられていると思われる場合、または自社にCDP-ACSが割り当てられていない場合は、以下のプロセスを参照してポータル上で変更してください。
CDP-ACSの設定と変更プロセス
オンボーディングステップ「質問書の設定」で提示される項目の1つに、組織の「活動分類」の設定があります。まだオンボーディングを完了していない場合は、 ホーム上の「質問書にアクセス」の「質問書の設定」をクリックすると、「CDP質問書を設定」ページに移動できます。ここで、下部にある赤い「質問書の設定を開始する」ボタンをクリックし、CDP-ACS分類(活動分類)の設定を含む一連の質問に回答して設定を完了してください。
注: 情報開示共同編集者 (Disclosure Contributor)は、質問書の設定プロセスを進めることができますが、情報開示提出責任者(Submission Lead)のみが設定を提出することができます。
すでにオンボーディングを完了し、質問書への回答を開始しているが、CDP-ACS分類を変更する必要がある場合は、ポータルのホームページに移動し、質問書KPIタイルの下にある「質問書設定の編集」ボタンより変更ができます。「CDP 質問書の設定」ページに移動し、CDP-ACS 分類に関するセクションを含む一連の質問に再回答してください。
注:「質問書の設定」を再提出しても、データは失われません。ただし、変更された設定に基づき追加質問等の変更が表示されます。質問書の再設定ができるのは、情報開示提出責任者(Submission Lead)の役割を持つユーザーだけであることに注意してください。
「質問書の設定」が完了したら、必ずその内容を提出してください。自社のCDP-ACS分類は、ポータルホームページの上部にある「組織の詳細を表示」からご確認いただけます。
注: CDP-ACSを変更できるのは 、開示サイクル中のみです。サイクルの前後や回答提出後に分類を変更することはできません。
「質問書の設定」の「活動分類」では、CDP-ACSに従って組織の事業活動を記入してください:
1.CDP産業(CDP Industry)
2.CDP活動グループ(CDP Activity Group)
3.CDP活動(CDP Activity)
4.活動に関連する年間売上高(% annual revenue associated with activity)
質問のプレビュー:CDP-ACSに基づく貴社の事業活動は何ですか?
重要:これらのフィールドに記入する前に、CDP-ACSのガイダンスを参照し、報告年度の貴社の最も適切な活動が選択されていることを確認してください。
「質問書セクター」列は自動入力され、各活動がどの質問書セクターに関連付けられているかを示します。
貴社のACS情報が事前にデータとしてCDPに保存されている場合、そのデータはあらかじめ入力されています。
例:
この企業は、「物流-輸送」、「産業機械」、「エンジン・モーター」、「その他の再生可能エネルギー機器」、「代替自動車」、「特殊化学品」の6つの活動に携わっています。「物流-輸送」は、最も割合が高い活動であるため、これが主要な活動として割り当てられています。
関連する質問書セクター別に売上の割合を合計すると、41%が「資本財」の質問書セクターに割り当てられ、28.5%が「輸送OEMS-EPM」に割り当てられ、27.5%が「輸送サービス」に割り当てられ、3%が「化学」に割り当てられました。したがって、「資本財」が主要な質問書セクターとして割り当てられ、「運輸 OEMS - EPM」と「運輸サービス」が追加の質問書セクターとして割り当てられますが、「化学」は質問書セクター割り当てのための20%の閾値に達していないため、割り当てられません。
重要:関連する活動が正確に入力されていることを、貴組織にて十分にご確認ください。CDP は、貴社のCDP-ACSが変更された場合、追加情報の提出を求めることがあります。選択されたCDP-ACSの分類が貴社の売上と一致しない場合、および貴社が選択したACSについて適切な正当性を示すことができない場合、CDPは貴社の回答をスコアリングしない権利、および貴社のデータを回答要請機関と共有しない権利を有します。
CDP-ACSと環境課題の割り当て
貴社の選択した活動は、割り当てられる環境課題に影響を与える可能性があります。CDP産業別インパクト分類に従い、各CDP活動には「森林への影響」と「水への影響」が割り当てられます。貴社が、ある環境課題に対して「重要(Ciritical)」または「非常に重要(Very high)」と分類された活動を少なくとも1つ行っている場合、貴社にはその環境課題が割り当てられます。貴社の組織が「高(High)」または「中(Medium)」に分類される活動を少なくとも1つ行っている場合、環境課題が割り当てられるかどうかは、この活動に関連する売上によって決まります。
各活動の影響分類の詳細と内訳については、CDP産業別インパクト分類をご覧ください。各環境課題がどのように採点されるかの詳細については、CDPの情報開示要請とはをご覧ください 。
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